戦おう!アレルギーと新型コロナ
Q&A
新型コロナウイルスワクチン
Q1ワクチンによっては免疫が10年以上もつものがありますが、それは免疫記憶された細胞が何代にもわたって分裂を続け、抗体を出し続けたりT細胞が持続したりしているということでしょうか。 また、免疫が持続する原因について有力な仮説はあるのでしょうか。
おっしゃるように免疫を記憶している細胞が存在すると考えられています。例えば抗体を産生するB細胞に関しては、メモリーB細胞という細胞が数十年も生き残り、再感染の際には免疫応答をすると考えられています。
Q2長年かなりひどいアトピー性皮膚炎を持っている為、新型コロナワクチンに対してアナフィラキーなどが心配です。同調圧力も強い中、もう少し様子を見たいのですが、ワクチンに対してどう理解していけばよいでしょうか?
アレルギー歴がある方は特に注意が必要ですが、必ずしもこのワクチンでアレルギーが出るかどうかはわかりません。アトピー性皮膚炎をお持ちの方とそうでない方は確率上ほとんどアナフィラキシーが起こる確率は変わらないと考えられていますが、リスクとメリットを比較してお決めになって下さい。問診の時にアトピー性皮膚炎を持っていることをお伝え下さい。
Q3新型コロナワクチン未接種ですが、他の予防接種で頭痛や痒み等の副反応が出ていて接種が怖いのですが、そのような人はファイザー、モデルナ、どちらがおすすめでしょうか?
これまでのデータではファイザーの方がアナフィラキシーが多く、その他の副反応はモデルナの方が多いと言われています。しかし、どちらを選んだ方が良いというほどの差ではないと考えられています。
Q4過去にアナフィラキシーショックになって治療を受けたことがありますが、新型コロナワクチンを接種してもいいでしょうか?
アナフィラキシー歴がある方は特に注意が必要ですが、必ずしもこのワクチンでアレルギーが出るかどうかはわかりません。リスクとメリットを比較してお決めになって下さい。問診の時に必ずアナフィラキシーのことをお伝え下さい。
【小児科医からの回答】アナフィラキシーショックの原因が、新型コロナワクチンに含まれている成分でなければ接種は可能です。アナフィラキシーの既往がある方なので、観察時間が30分になります。
Q5アレルギーを持ってる人がワクチン摂取した場合、何らかの副反応が出ますか?呼吸困難とかアレルギーの重症化などあらゆる副反応が懸念されてワクチン摂取を躊躇してしまっています。怖いです。回答していただけると有り難いです。
アレルギー歴がある方は注意が必要ですが、必ずしもこのワクチンでアレルギーが出るかどうかはわかりません。リスクとメリットを比較してお決めになって下さい。問診の時にアレルギー歴についてお伝え下さい。
【小児科医からの回答】ワクチン副反応はアレルギーがあってもなくても、一定の割合で起こります。アレルギーは抗原特異的な反応なので、何にでも反応するわけではなく、ワクチン成分に対してアレルギーを持つ方がアレルギー反応を起こします。逆に言うと、食物アレルギーなどがあってもワクチンに含まれている成分に反応がなければ接種は可能です。
Q6コロナワクチン接種、モデルナ、モデルナアームの原因は? アナフィラキシー既往歴有、1回目接種後モデルナアーム発現、2回目接種でアナフィラキシーが起きないか不安。助言願う。
モデルナアームの原因は、T細胞というリンパ球が関連する細胞性免疫による免疫反応と考えられています。1回目にモデルナアームが出現しても、2回目を接種しない理由にはならないと考えられています。
Q7ワクチンの副反応が強い場合と弱い場合の違い?
一部の副反応は免疫応答の違いだと思われますが、詳しいことはわかっていません。
Q8猫アレルギー・アトピー患者です。先日コロナワクチンを接種後にアレルギー湿疹が発症しましたが、ワクチンとの因果関係はあるのでしょうか。または接種会場に猫を飼っている関係者または来場者がいたのでしょうか。
【小児科医からの回答】接種2時間以内の蕁麻疹、皮膚の赤み痒みであればワクチンに対するアレルギー反応であった可能性があります。一方、ワクチンの種類に関係なく、アトピー性皮膚炎患者さんの場合、体調不良により湿疹が悪化することがあります。ワクチン接種直後ではなく、少し時間がたってからの湿疹の悪化であれば、ワクチンを打ったことで、ストレスが生じ、湿疹が悪化した可能性が考えられます。
Q9モデルナワクチンを9月に学域接種予定です。息子が毎日筋トレを欠かさずしています。また部活も簡単に休める環境ではありません。筋トレは1週間はしないよう言いますが接種日含め最低何日間は運動しない方がいいですか?イネ科アレルギーもありますし、一人暮らしなので心配がつきません。
1-2日間接種部位に痛みがある場合がありますが、その後に副反応の出現なければ運動制限は必要ないかと思います。
Q10授乳中ですが、新型コロナウイルスワクチンを受けても問題ないですか。副反応として熱などの症状が出た場合、授乳を続けても良いですか。授乳中でも飲める解熱剤を事前に処方してもらった方が良いですか。
授乳中でもワクチンは接種可能です。発熱があった場合は授乳中でも使用可能な解熱剤を使っていただいてかまわないと思います。
Q11市の1回目ワクチン接種後、熱は出なかったが数日間皮膚がかゆくなりアレルギーみたいな感じになった。これまでにはない症状で周囲にもあまり聞かないので2回目が心配です
1回目にアレルギーがあった方は、2回目は特に注意が必要です。問診でお伝えいただき、リスクとメリットを比較してお決めになって下さい。
Q12我が子がワクチン接種のあとから体調悪いです。きつい食物アレルギーがあります。2回目接種のあと、ようやく一週間がたとうとしていますが、体調落ち着くまでまだ波がありそうで心配しています。来週から学校と、部活動もありハードな生活へもどります。
【小児科医からの回答】「体調が悪い」の内容が不明なので明確にお答えできませんが、食物アレルギーがあること自体は、新型コロナワクチン接種の副反応のリスクにはなりません。ただし、アレルギーの原因食品を少量摂取している場合は、ワクチンの種類に寄らず、ワクチン接種のストレスにより閾値が低下し、症状が誘発されやすくなり、体調不良が生じる可能性があります。
Q13デルタ株に効果があるワクチンはありますか?
ファイザー、モデルナ、どちらのワクチンも重症化予防にはなると言われています。
Q14抗体は簡単に測れるので抗体ばかり注目されますが、細胞性免疫を定量する方法はいいのでしょうか。そちらもかなり大事だと思います。
細胞性免疫はT細胞が抗原に対してサイトカインを産生するかどうかや、感染細胞に対する細胞傷害性を評価しますが、簡単ではありません。おっしゃるとおり、実際にはT細胞による細胞性免疫も重要な役割をになっていると思います。
Q15副反応の強さと得られる免疫力に相関はありますか?
副反応が強いかたの方が抗体価が高い傾向にはありますが、副反応がなくてもほとんどの方は十分な抗体が得られます。
Q16モデルナ接種後、おなかをこわしたのですが副反応には発熱や頭痛となっています。胃腸にくることもあるのでしょうか?
副反応の可能性があると思います。
Q17副反応は、遅れて出ないのでしょうか?
数日後に副反応がみられることがあります。
Q18ワクチン接種は現在12歳以上ですが、将来、12歳以下の小児も接種の対象になる可能性はありますでしょうか?
可能性は低いと思います。
Q19中学生や高校生は、学校でワクチンを接種することができるようになるのですか?
可能性はあると思いますが、わかりません。
食物アレルギー
Q1アナフィラキシーショックについても教えていただけたら幸いです。
アナフィラキシーは、アレルゲンなどの侵入により複数臓器に惹起され、生命を脅かしうるアレルギー症状ですが、中でも血圧低下や意識障害を伴う場合をアナフィラキシーショックと言います。
Q2食物アレルギーは克服できますか?何か方法があれば知りたいです。
発症年齢や原因食品、また同じ食品でも個人間で治りやすさは異なりますが、食物アレルギーが治る方法として①自然に治るのを待つ、②研究的治療として経口免疫療法があります。経口免疫療法を行う場合は食物負荷試験の実施や緊急時の対応などが可能な、専門施設での診療が望まれます。
Q3息子が、小5の時にエビ、イカ、カニのアレルギーになりました。(それ以前は食べていた)一度アレルギーと判断されると治る事は無いのでしょうか。
個人間で治りやすさは異なりますが、発症年齢と原因食品の種類からは、治りにくいと考えられます。食物経口負荷試験を行って安全に食べられる量を検査する事や、強く治ることを希望される場合に、経口免疫療法について専門医から説明をお聞きいただき、実施できるか検討することは可能です。
Q42才9 ヶ月の孫のタマゴアレルギーは、成長とともに改善されますか?1才の時に、タマゴアレルギーがわかり、それ以降、タマゴ回避しています。
一般的には、乳幼児期発症の卵アレルギーは、小学校入学までに治りやすい傾向にあります。食物経口負荷試験を行って安全に食べられる量を検査し、症状が出る閾値以下で摂取ができると良いと考えられます。
Q5食物アレルギー(レモン、果物)がありますが、ワクチン接種大丈夫でしょうか?
食物アレルギーがある方でも、新型コロナワクチンを接種することは可能です。予診票に記載をして頂き、通常15分の観察時間を30分取ります。
Q6食物アレルギーがあっても、症状が出る時と出ない時があるのは、なぜですか?
食物アレルギーが出るときと出ないときがある場合、①実際には食物アレルギーではない、②摂取量の違い(少量なら症状なく食べられる患者さんである)、③原因食品を食べて運動などが加わったときのみ症状が出る特殊型である、可能性があります。いずれも食物経口負荷試験を行って明らかにすることが可能です。
Q7エピペンは自宅用と学校用と二本の処方はできないのでしょうか?
施設により対応が異なる可能性がありますが、可能です。
Q88歳、卵乳アレルギーがあります。この先改善されますか
個人間で治りやすさは異なりますが、現在8歳でどの程度食べることができるのか、がこの先改善するかどうかに影響します。完全除去を続けるよりも、食物経口負荷試験を行って、症状が出ない閾値以下で少量でも摂取ができるほうが、改善が期待できます。
Q9エピペンを処方されていない生徒がアナフィラキシーを起こした場合にはどう対応したらよいですか?
救急車を要請してください。
アトピー性皮膚炎
Q11才児の頭皮の乾燥、かゆみについて悩んでいるので、それも含めたスキンケアについて教えていただけると嬉しいです。
まずは入浴時に赤ちゃん用のヘアシャンプーを勧めます。かゆみの原因を洗浄不足と誤解して、過剰に洗ったり刺激を与え過ぎないようにしましょう。また頭皮にも乾燥防止のため保湿剤を使うことができますが、軟膏やクリームは塗りにくいので、ローションやスプレータイプのものが最適です。頭皮は髪の毛で観察しにくいこともありますが、実は湿疹があることもありますので、掻きむしったりするようであれば病院への受診が望ましいでしょう。
Q2息子(10歳)が5歳からアトピー性皮膚炎です。年々酷くなってきました。今では蕁麻疹も出る様になり、塗り薬と蕁麻疹を抑えるお薬で対応していますが痒みが一時収まる程度です。この治療のみでアトピー性皮膚炎は将来的には治るのでしょうか?
一時しかおさまらないということは講演であったように、炎症がおさまりきっていない、つまりお話からは治療の強度が弱いような印象を受けます。症状が出た時だけ塗っているとすれば連日に増やす、ないしは連日塗っているとすれば塗り方を今一度確認してみましょう。
Q3ステロイドの副作用について、デマが多いように感じられれる。もっと具体的に、定量的なことを知りたい。
成人であれば、1日5~10g塗っても症状に合わせて減らしていく塗り方であれば、3か月塗っても元に戻らない(不可逆的な)副作用はでないとされています。一番よく出回っているチューブは1本5g製剤です。すなわち1日1~2本を闇雲に3か月以上続けなければ決定的な副作用に至ることはまずありません。
Q44歳の子供が全身が痒く、湿疹との診断で全身にステロイド使用歴3年です。ステロイドは免疫が低下すると報道で知り、自身もステロイド吸入歴1年です。コロナ禍でもあり、こんなにも長期間ステロイドを塗り続けて免疫低下を起こすのでしょうか? 薬を塗っても強いものに変えても痒みが収まりません。どうやったら落ち着くのでしょうか?
塗っている部位や量にもよりますが、塗り薬では基本的に全身的な免疫低下は起きません。強いものに変えても、とのことですが、全身に皮膚症状があるような範囲が広い場合には塗り薬で追いつかないこともあり、補助的にかゆみ止めの内服を検討してもよいかと思います。かかりつけ医へ相談してみましょう。
Q5中学や高校生になってもアトピーで部活、特に夏に辛い思いをしています。どのような対策をすればいいでしょうか?なかなか病院に通院できない状況です。
夏季に悪化とのことで、汗で悪化している印象も受けます。汗をかくこと自体は皮膚にとって悪いことではありませんが、かいた汗は早めに流すのが大事です。屋外の部活であれば日焼け止めも勧めます。市販のものでも構いませんが、保湿を毎日行うだけで、劇的な効果は見込めないものの悪化しづらくなります。
Q6子供の時に幼児性湿疹があって治ったのですが、こう言うのを持っている場合は花粉症やらアレルギー鼻炎になりやすいのですか?
リスクとしては高いと報告されていますが、いま現在湿疹や乾燥がないのであれば過度な心配は不要です。
Q7幼児ですが、夏に皮膚の保湿をしすぎるとあせもができるし、皮膚を保護しないと汗でかゆくなるしちょうどいい保湿加減が難しいです。
確かに軟膏などベタつきが強いものは、夏季では汗もがひどくなることもあります。ローションやスプレータイプの保湿剤(市販品もあります)を試してみてはどうでしょうか。
Q8乳児期からアトピーがひどく、もう20年近く薬を服用していますが、問題ないですか?
「服用」ということで内服薬かと推測しますが、長期に用いることのあるものとして一般的には抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬があります。眠気などの副作用が出ることはありますが、長期に飲んでいるからといって内蔵などに問題がでることは通常ありません。
Q9蕁麻疹がずっと出ています。アトピー性の皮膚と蕁麻疹の違いは何ですか?出現している時間ですか?
蕁麻疹は蚊に刺された時に出るようなぷっくりとした赤み、アトピーではガサガサ、ブツブツなど触って変化を感じる湿疹が典型的です。時間についても蕁麻疹であればひとつひとつの皮膚症状は1日あれば消えることが多く、アトピーでは1日では消えません。両者が合併することもあります。
Q10アレルギーマーチ、発症順番はありますか?
アレルギー素因のある人が、年齢とともにアトピー性皮膚炎,食物アレルギー,喘息,アレルギー性鼻炎とアレルギー疾患が次々と形(標的とする臓器)を変えて出現することを「アレルギーマーチ」と呼びます。典型的にはこの順番で出ますが、診断時期が前後することもあります。
Q11紫外線がアトピー性皮膚炎の悪化原因となる場合があると聞いています。紫外線 を浴びると皮膚に変化が生じるお子さんがいます。 戸外に出かける際は、できるだけ陽に当たらないよう衣服や帽子を着用しています。 月齢があがれば、大丈夫な状況になりますか。
月齢があがればというより、アトピー性皮膚炎の調子の問題かもしれません。安定した状態であれば、服装や日焼け止めに気をつけて日常生活を送ることは十分可能かと思います。
アレルギー性鼻炎
Q1後鼻漏が常にあります。アレルギーなのでしょうか。
後鼻漏の多くは副鼻腔炎(ちくのう)が原因のことがあります。アレルギーでないとは言い切れませんが、一度耳鼻科を受診されるとよいと思います。
Q2アレルギー性鼻炎って完治するのですか?
成人のスギ花粉症患者さんを10年間追跡調査をした結果、13%の人が何も治療をしないのに治った状態になりました。これが多いか少ないかは取り方によりますが、少ないと思います。一方で、ダニのアレルギー性鼻炎の患者さんを同じように追跡すると36%でした。原因によって違いますが、完治することはなかなか見込めないと思ったほうが良いでしょう。
Q3子どもが慢性的な鼻炎です(ほぼ一年中鼻水)。市販の漢方薬を服用すると少し症状も和らぐ気がしますが、「一生薬を飲み続けないとダメなのか?」と思うと「う~ん…」という気持ちになります。最近は受診もしていませんが、「また診てもらう方が良いのかな?」と思い、息子に受診を勧めるも「完全に治るわけじゃないんでしょ」と、受診に消極的です。やはり、慢性鼻炎とは一生付き合っていかないとダメなんでしょうか。息子は小学4年生です。
慢性鼻炎には、副鼻腔炎(ちくのう)なのか、アレルギー性鼻炎なのか診断をつけるとよいと思います。どちらも治療法があります。アレルギー性鼻炎はより体質の病気ですので、完全に治る、には治療を選択する必要があります。舌下免疫療法は原因の物質を口の中で舐めるような治療です。毎日自宅でできる点が簡単です。スギ、ダニが原因の場合にはとても効果があります。小学生や中学生の段階での治療をお勧めしています。
Q414年前にアレルギー性鼻炎になり、エバステルの薬を辛いときだけ服用。一年前に副鼻腔炎になりその後毎日エバステルを一日一回飲んでます。副鼻腔炎は治っています。なるべく薬を飲みたくないので、何に気を付けたら薬を減らせますか?
副鼻腔炎にエバステル(抗ヒスタミン薬)を出すことはあまりありませんが、アレルギー性鼻炎も合併しているのかもしれませんね。アレルギーであれば雑草の花粉や、ダニ、ホコリといった原因があるのでそれらを吸い込まないようにすることが一つの方法です。採血検査で分かりますし、一日のうちいつ症状が出るのかということで何が原因か推測することができるかもしれませんので、耳鼻科やアレルギー科に受診されるとよいと思います。
Q5舌下錠ミティキュアを2年間程服用してるのですが、効果が感じられません。どれくらいの期間服用すると効果が出るのですか?また、飲み忘れがあると効果は出ないのですか?
舌下免疫では70-80%の人に効果があるといわれています。3から4か月で効果がみられる人も多いですが、効果が出にくい人は1年間は続けてみましょうと説明しています。それらは、ほぼ毎日舌下錠を服用していることが大切になります。間に1か月以上飲まない期間があると効果が不十分なことがあります。処方されている医療機関でもご相談してみてはどうでしょうか。
Q6「舌下免疫療法」というものを初めて知りました。大変興味が有りま す。5歳から適応、とのことですが、逆に「何歳を過ぎたらあまり効果がない」というようなことはありますか?成人してから治療を始めても効果はあるのでしょうか?
この治療法は年齢制限はありません。60歳代、70歳代の方でも治療を開始して効果がみられている人もいます。成人から始める人も多く、効果がみられる人も多いです。
Q7舌下免疫療法は何歳からできますか。他の花粉に対する効果はありませんか。
舌下免疫療法はおよそ5歳からできるということになっています。毎日、ベロの下(舌下)にラムネのような薬を置いて1分間の見込まずにじっとしていることが必要になります。それらを聞き分けてできるのが5歳くらいが適当といわれる理由です。スギ、ダニに対する治療薬がありますが、そのほかの原因には効果はありません。
Q85歳以下の乳幼児はマスク着用ができませんが、予防習慣として何ができるでしょうか?
スギ花粉症の発症予防のことを言われているのだと思います。スギ花粉のシーズンは2月から4月の間の限られた期間です。ニュースや情報サイトで花粉飛散状況がひどいときには外出を避けたり、少ない時間にしたりという工夫が良いと思います。
その他
Q1アレルギーと喘息の関連性
【耳鼻咽喉科医からの回答】アレルギー性鼻炎と喘息というのは、息の通り道にある病気というのが共通点です。そのため、どちらか一方になっているともう一つも合併しやすいという関連があります。
【小児科医からの回答】小児の喘息の9割はダニなどに対するアレルギーを持っており、ホコリを吸い込むことで喘息発作が引き起こされますが、感冒や煙、台風など、アレルギー以外の要因も喘息発作を引き起こします。
Q25歳の息子がアトピー性皮膚炎、鼻炎で通院中です。どれも同じアレルギーで関連しているのですか?アレルギーを特定してそれを避けるとどちらも軽減されるものなのでしょうか?
【耳鼻咽喉科医からの回答】アレルギーの原因はそれぞれに特定すると別かもしれませんし、同じかもしれません。特定されたものを避けることで軽減されることが多いです。
【皮膚科医からの回答】アトピー性皮膚炎においてアレルゲンは単一の原因ではなく増悪因子になっていることがあります。なのでアレルゲン除去による治癒は難しいですが、例えば花粉の時期に悪化するアトピー性皮膚炎の方では、対策により症状が軽減する可能性はあります。
Q3子供が喘息持ちで、今年の冬にアレルギー性鼻炎、先月にはアトピー性皮膚炎を発症しました。喘息は落ち着いていて、吸入は行っていませんが10歳になった今アレルギーを色々発症するのはなぜですか。また、喘息やアレルギーは完治するのでしょうか。
【耳鼻咽喉科医からの回答】アレルギーの病気が一つあると、そのほかの病気も合併することがあります。原因はいろいろとあるようですが、なりやすい人をアトピー体質といいます。一つ一つの病気について丁寧に治療していくことで軽くなっていくことが多いです。まずは小児科や皮膚科、アレルギー科でご相談されるとよいと思います。
【小児科医からの回答】アトピー性皮膚炎は乳幼児期発症が多いです。10歳でアトピー性皮膚炎の診断をうけたという事ですが、おそらく元々アトピー性皮膚炎をお持ちで、はっきり診断を受けた時期が10歳であったと考えられます。人生の中で、次々に異なるアレルギー疾患を発症すること、例えば喘息を乳幼児期に発症し、小学校に入るころには良くなったものの、学童になりアレルギー性鼻炎が発症する、ことは珍しくありません(いわゆるアレルギーマーチと言います)。アレルギー体質が関与するため、体質を変えることは難しいですが、喘息が日常生活に支障を与えないようコントロールすることは可能です。またアレルギー性鼻炎については、舌下免疫療法でダニ・スギに対する根本的(治す)治療を行うことができます。
Q4睡眠時無呼吸症候群でCPAP療法をしています。その中で鼻腔抵抗値が中等度と診断されました。毎日ではありませんが息苦しい。改善策を教えてほしい。
【小児科医、皮膚科医からの回答】アレルギーマーチの理論からいうと、アトピー性皮膚炎は実は軽症のものが以前からあって、今回初めて診断されただけという可能性があります。これら複数の疾患が発症するのは、体質的にアトピー素因があるからと考えられます。その体質の完治は難しいですが、現在喘息が落ち着いているということもあり、日常生活に大きな負担のないレベルで病気をコントロールすることは可能と思われます。
【耳鼻咽喉科医からの回答】鼻の中が腫脹する(腫れる)ため、息苦しいときがあるのだと思います。アレルギー性鼻炎なら点鼻薬や内服薬で対処できることがありますし、薬剤で解決できない時には鼻の中の構造を少し改善させる手術が役に立つこともあります。
Q5娘がややアレルギー対質です。親戚の薬剤師のお姉さんの体験談として、食べ物を気を付けることで自身の強めの花粉症が改善したとのことでした。アマニ油、玄米食、味噌汁など、それぞれの効果のデータなどあれば知りたいです。ネットの情報はどのサイトを信用してよいか分からないので。
【耳鼻咽喉科医からの回答】食べ物は毎日のことなのでアレルギーに関係すると思います。過度な食事量を控え、肥満にならないように運動をすることが良いと思いますが、科学的に示すことまではできていません。青魚の油がよい、ヨーグルトやみそ、納豆、漬物のような発酵食品が良い、野菜が良いということが言われており、腸内細菌を健康に保つことにつながるようです。腸内には体の免疫細胞の70%が集まっていることと考えると関係はありそうです。こういった食品を中心に考えていくのはよいと思います。 アレルギー性鼻炎、花粉症は成人してからの発症も多くありますが、基本的にはアレルギー疾患は年齢とともに罹患率は減少します。アレルギー疾患と腸内環境、マイクロバイオームの関与は示唆されているが、何をどう治療すればよいか、気を付ければよいかという具体的な方針までは分かっていないので、今後の研究成果が待たれます。
Q6いくつかアレルギー症状がありますが加齢とともに他にも増えるものでしょうか?腸内環境なども関係するのでしょうか?
【耳鼻咽喉科医からの回答】一般的には加齢とともに軽く、少なくなっていきます。スギ花粉症では60歳代になってようやく少なくなり、ダニでは、30-40歳代です。病気によってもずいぶん違います。腸内環境も加齢とともに変わってくるようです。