考えてみよう!withコロナ 時代のライフスタイル

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Q&A

withコロナ時代にむけて

Q1今後コロナ感染が5類となりインフルエンザと同様な対応になったときに、病院にコロナ感染者が来ることで、感染拡大することはないのでしょうか?また病院の準備や負担が大きくなるのではないでしょうか?

5類になることで感染対策が緩和され、ご指摘のように一時的には感染拡大が起こる可能性があると思います。しかしながら、そのような状況下でも重症になる方を増やさず、徐々に日常を取り戻していくことがwithコロナなのだと思います。5類になったとしても状況に合わせた感染対策をしていただくことも必要になると思います。

Q2来年からはインフルエンザと同時流行になるのですか?その場合、インフルエンザの薬でコロナも治るのですか?

今年と同じようにインフルエンザとコロナが同時に流行する可能性はあります。コロナだけが年に何回か流行するかもしれません。インフルエンザとコロナでは使う薬が異なるので、インフルエンザの薬でコロナは治りません。適切な診断を受けて治療を受けましょう。

Q3マスクなしになるとコロナに感染しないために、どのように注意すればよいでしょうか。

マスク以外で注意できることとしては、予防接種を受けること、こまめに手指を消毒すること、3つの密を避けて換気を良くすることなどが挙げられると思います。

Q4コロナも5月8日から5類に引き下げられるということで、学校でどこまで対策をするべきか、悩んでいます。現在も物品等の消毒は継続して行なっていますが、今後も消毒作業は続けていくべきでしょうか。
これだけは対策を続けたほうが良いことがあれば教えていただきたいです。

令和4年6月20日の厚生労働省事務連絡において、医療現場においても「過剰な環境消毒の中止」が言われています。少なくとも消毒回数を少なくすることなどは検討しても良いかと思います。学校における重要な感染対策の一つは今後も「適切な換気」ではないかと考えます。

食物アレルギー

Q1アレルギーとアトピーのちがい

「アレルギー」とは、免疫学的な機序によって体に有害な症状が引き起こされることを指します。広い意味では、IgEが免疫学的機序に関与するものとIgEが関与しないものがあります。前者のIgEが関与するものを狭い意味での「アレルギー」と言います。一方、「アトピー」とは、IgEが関係するアレルギーの病気を起こしやすい遺伝的な体質、つまり、遺伝的にIgEを作りやすい体質のことを指します。皮膚に強いかゆみを伴う赤いぶつぶつが長期間でる病気のことを「アトピー」と思ってられる方が多いですが医学的には間違いです。皮膚のぶつぶつは正しくは「アトピー性皮膚炎」であって「アトピー」とは異なります。

Q2消化管アレルギーについての最新情報について。治るのかも知りたいです。

消化管アレルギーは原因となる食物を食べた後、数時間後に嘔吐や腹痛、下痢といったおなかの症状が出現する病気です。原因食物を食べ続けると、嘔吐はしなくても、いつも下痢っぽくなったり体重がへったりする場合もあります。多くはミルクが原因となって、便に血が混じったり、下痢がつづく赤ちゃんが多かったのですが、ここ最近は、離乳食を開始することろに卵の黄身が原因となる赤ちゃんの報告が増加しています。ミルクや卵黄以外にも年長児では魚介類が原因となったりします。一般に、赤ちゃんのころに発症するミルクや卵黄が原因となるものは大きくなるにつれ治ることが多いですが、年長児になってから発症する場合にはなかなか治りにくいと言われています。

Q3子供の頃にアトピーがあり、成人になってからは治っていましたが、就職してから仕事でのストレス、勤務時間の変動などで、少しずつ腕の内側、首周りに、発疹が出てきています。春先の乾燥もあるかと思うのですが、どのように予防したら良いですか?子供の頃は、卵、乳製品にアレルギーが見られていました。

“乳児期には食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の増悪因子となることは多いですが、大人のアトピー性皮膚炎では、食物アレルギーが治って普通に食べれるようになっているのであれば増悪因子となっている可能性は低いでしょう。大人のアトピー性皮膚炎では食べ物より、ストレスや皮膚の乾燥の方が増悪因子となることが多いです。ストレスを発散する工夫をすること、皮膚の乾燥を防ぐためのスキンケアをしっかりすることが重要です。また、花粉症がある場合には、花粉により湿疹が悪化することもあるので、花粉症の対策も重要です。

Q4学校給食のアレルギー対応で、たん白加水分解物(アミノ酸液等)に含まれる小麦や大豆の対応は必要でしょうか。教えて下さい。

食物アレルギー反応はタンパク質や、タンパク質が部分的に加水分解されたペプチドにより起きますが、アミノ酸では起きません。食品中に含まれる蛋白加水分解物のアミノ酸液は、小麦や大豆アレルギーがあっても基本的に除去は不要です。ただ、加水分解が不十分な場合には一部、小麦や大豆由来のペプチドが混じっている可能性がありますが微量であるため、きわめて重症の食物アレルギー患者さんのみ除去が必要です。

Q5子供が食物アレルギー持ちです。負荷試験について現代の考え方など教えていただけると幸いです。(近所の小児科では昔のことをおっしゃられるので)

負荷試験については大きく2つの目的があります。一つは診断目的、もう一つは除去解除目的です。お子さんの場合は、既に診断されているとのことで後者の負荷試験が該当します。
鶏卵や牛乳など、年齢が上がるにつれて自然に治ることもある食品もあるので、タイミングをみて負荷試験を行い除去解除を目指せればと思います。また、完全に除去していた方も少量であれば安全に摂取できるようになることもあるため、負荷試験を目的にお近くの医療機関を受診してください。福井県内の規模がある程度大きい病院であれば日常的に負荷試験を行っている施設も多く、もしご自宅のお近くになければ大学病院を受診していただければと思います。既に大学病院に受診歴があれば不要ですが、初めての場合は初診料がかかるため、お近くの病院を受診し、紹介状をお持ちください。

Q6加工品によく含まれるたん白加水分解物のアレルゲン性について、教えていただきたいです。食品に分類されるものですが、添加物よりもアレルゲン性は高いと考えるべきでしょうか。

食品添加物は、食品の製造過程で、または食品の加工や保存の目的で食品に添加、混和などの方法によって使用するものです。添加物の多くは、蛋白質よりかなり小さい分子化合物のためアレルギー反応は通常おきませんが、添加物の種類によってはアレルギー反応を起すものもあります。一方、タンパク加水分化物はタンパクの構造が壊れて、アミノ酸に近い状態になっているためアレルギー反応は起きにくいといえます。ですので、添加物とタンパク加水分解物を比較しても、種類や分解の程度によってアレルゲン性は、前者が高い場合もあるし、後者が高い場合もあるので、一概に比較することはできないでしょう。

スギ花粉症

Q1こどもの花粉症はなぜおこる? 高齢者で花粉症症状が軽症化することがあるのはなぜ?

年齢に関わらず花粉症はアレルギー反応によって起きる疾患です。スギ花粉症であればスギ花粉の成分に対して作られた抗体にスギ花粉の成分が付着することでヒスタミンなどのアレルギー症状の原因となる物質がばらまかれる事でくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどの症状がおきます。 高齢者では免疫反応が低下することも原因の一つだと考えられていますが、花粉に触れる累積回数の増加によってアレルギー反応が起きにくくなっている可能性もあります。

Q2いつ来るかわからないモーニングアタックに悩んでいます。対処法はありますか?

モーニングアタックの原因はよく分かっていませんが、持ち込んだ花粉やハウスダストが起床時に舞い上がってそれを吸い込むため、または起床に伴う自律神経の切り替えによって鼻の粘膜が刺激に対して過敏になることが原因であると言われています。対策としては家の中、特に寝室に花粉などのアレルゲンを持ち込まない、朝に薬の効果が強くなるように眠前に内服できる薬剤を内服するなどの対策があります。

Q3アレルギー性鼻炎で薬をもらい10日分の薬をもらったところ5日ぐらいで改善したときに薬は飲み続けるのか、やめてもよいのかわからない。

アレルギー性鼻炎に対する薬剤は非常に多くの種類があり、適正な使用法や効果の表れ方も様々です。一般的な抗ヒスタミン薬であれば連続して内服することで薬効を維持きる場合が多いので花粉やアレルゲンがある場合は内服を続けた方が良いです。ただし環境や症状、個人のライフスタイルもありますので希望も合わせて担当医と相談の上決めてゆくのが良いのではないでしょうか。

気管支ぜんそく

Q1コロナ後遺症でぜんそくなどのアレルギー症状がひどくなることはあるのでしょうか?

コロナもウイルス感染症ですので、ぜんそく患者さんがコロナに感染するとぜんそく発作を起こすきっかけになる可能性はあります。しかし、ぜんそく患者さんがコロナに感染しやすいということはありません。また、コロナ後遺症は新型コロナウイルス感染症の罹患後症状と呼ばれており、疲労感・倦怠感、嗅覚障害など様々な症状が報告されていますが、コロナ感染によって、その後アレルギー症状が悪化するということは一般的にはないと思います。

Q2講演の中で、吸入ステロイドは副作用がないと説明されていた理由を教えてください。
また、バイアスピリンはぜんそくになる可能性があるのでしょうか。

吸入ステロイド薬も血液中に移行しますが、気道局所での作用が主であり、保険適用の用量では経口ステロイド薬やステロイドの注射薬に比べて、全身性に作用する薬の量がはるかに少なく、安全であると考えられています。アスピリンを使用するとぜんそくになるわけではありません。アスピリンなどの解熱鎮痛薬はかぜ薬、熱さましや痛み止めなどの市販薬にも含まれています。大人のぜんそく患者さんのうちの1割くらいの患者さんは、解熱鎮痛薬を服用するとぜんそく発作や時にはショックを起こす可能性があります。そのことを患者さんは十分に理解して注意してほしいし、服用する時には主治医の先生とよく相談してほしいということをです。

食サルコペニアと呼吸器疾患

Q1福井市民です。先生の調査は福井県のどこでされていますか。気になる人は誰でも受けられますか?

若狭町、小浜市、勝山市、坂井市で、市町の役場の方々と相談し、ご希望のあった地区で実施しています。研究なので、同意をいただいた方にのみ、定期的に実施しています。福井市でもご協力いただける地区があれば、定期的な実施を検討させていただきます。

Q2サルコペニアやフレイルは、何歳ぐらいから注意したらよいでしょうか。

特に女性は10代-20代から気にされた方がよいでしょう。その後は男女とも50代以降でゆっくりと増え、70代以降で急激に増えます。その時々でご留意下さい。