アレルギーのふしぎを解き明かす!

アレルギーのふしぎを解き明かす!

アレルギーのふしぎを解き明かす!前編

アレルギーのふしぎを解き明かす!後編

Q&A

アトピー性皮膚炎と言われたらどうすればいいの?(長谷川稔先生)

Q1我が国のアトピー性皮膚炎の有病率はどのくらいですか?

年齢によっても異なり、乳幼児期から発症して小学生までが多く、中学から高校生になって減っていきます。アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024には、有症率に関して以下のようなデータが掲載されているので参考にしてください。

アトピー性皮膚炎の年齢別有症率(調査年度・A:2000〜2002年度、B:2006〜2008年度)47)〜49)

Q2小さいときから軽いアトピー性皮膚炎でした。薬を塗ったりして治りましたが最近また首のところに湿疹がでます。アトピー性皮膚炎が残っているのでしょうか、それとも外に原因があるのでしょうか?

汗をかいたり服がすれたりして湿疹が出ることがありますが、長く続かないならアトピー性皮膚炎の症状とまでは考えなくても良いでしょう。

Q3アトピー性皮膚炎は日焼けをすると悪くなるのでしょうか?

医療用の紫外線をあてる治療をすることもあるので紫外線自体が悪いわけではないですが、当たり過ぎて皮膚の温度が上がりすぎると炎症が強くなったり、かゆみが強くなることがあるので良くありません。

Q4ステロイドの薬を塗った上から日焼け止めは塗っても良いでしょうか?

薬の上から塗ってもらって構いません。かぶれには注意が必要ですが、是非塗るようにしてください。

Q5アトピー性皮膚炎について、親戚から、アトピーは海水に漬けると治ると言われたのですが、本当でしょうか。

そのような体験談がみられるのも事実ですが、あくまで一部の人の特定の条件下での経験と思われ、皆に良いわけではありません。特に皮膚の乾燥、掻き傷、ひびわれなどが強い場合や、海水を洗い流さないでいると、塩分が刺激になって悪化することもあります。アトピー性皮膚炎の治療目的として海水に漬けることは、お勧めできません。

食物アレルギー:子どもの自立支援と発症予防のためにできること(安冨素子先生)

Q1食物経口負荷試験はどのくらいの人が受けているのでしょうか。負荷試験前に子供には納得してもらっているのでしょうか?

負荷試験の件数は、施設の規模や専門医の有無により異なります。負荷試験後に原因食物を食べる気持ちをもってもらう事が大事なので、本人の恐怖心に配慮する事が大事と考えます。

Q2乳児期発症の鶏卵アレルギーは耐性獲得しやすいが、甲殻類やくるみなどのアレルギーは難しいとのことでした。アレルゲンにどのような違いがあるのでしょうか?

明確に回答するのは難しいですが、治りやすさ治りにくさはアレルギーを起こす物質が何か、感作経路がどこか、少量でも食べることができるかということが関係しています。単純にアレルゲンの種類だけの問題ではありません。

Q3成人してから、発症すると治りにくいとあったが、花粉症と関係した食物アレルギーの関係、アレルギー体質の人は食物アレルギーになりやすい、とか関係はあるのでしょうか。

アレルギーマーチというものがあって、一つのアレルギーを有することは、別のアレルギーを発症しやすくなります。

Q4耐性獲得とは、自然に食べれるようになるのでしょうか、花粉症でいう舌下免疫療法のように治療をして耐性を獲得していくのでしょうか。

乳児期では一定期間除去をして食べれるようになっていく方もいますが、自然に治らなくて持ち越してしまった場合は、舌下免疫療法のように食物アレルギーでも食べる免疫療法(経口免疫療法)をすることがあります。

花粉症はなおせる?―いま話題の舌下免疫療法とは(小山佳祐先生)

Q1舌下免疫療法薬を処方できるのはトレーニングをうけた医師と紹介がありましたが、福井県ではどの医療機関で処方できるのかを調べる方法はありますか。

鳥居薬品のHP(下記URL)から舌下免疫療法に対応する医療機関の検索が可能です。
お医者さんに相談しよう|舌の下(したのした)で行う鳥居薬品の舌下免疫療法専門サイト
福井県内では、耳鼻咽喉科医師はほぼ全員が、小児科医師は1/3ほどが処方可能です。ただし初回投与時は副作用対策のために基幹病院などに紹介され、以後かかりつけの医療機関で継続となる場合がありますので、実際に各医療機関でご相談ください。

Q290歳ですが、同年代の友人で花粉症になった方がいます。本人の思い違いなのか体質が変わってなったのか、そのような実例はありますか?

70歳代以降のスギ花粉症有病率は低いですが、実際に発症される方はいらっしゃいます。しかし花粉に対する症状のほかにも、別の要因で鼻水が出ている場合も多くあります。それぞれ有効な治療法が変わる場合があるため、耳鼻咽喉科を受診いただき、正しく診断いただくとよいでしょう。ぜひ相談にいらしてください。

1998,2008,2019年の年齢層別スギ花粉症有病率