ウィズコロナ時代のアレルギー
Q&A
新型コロナウイルス感染症
Q1コロナとの共生が求められる世の中で、アレルギーとマスク生活との上手な掛け合いを余儀なくされている方に、健康な私たちができることは何だと考えておられますか?
COVID-19の感染対策には様々なものがあります。アレルギーのためにマスク着用ができない場合にも、ワクチン接種、3密の回避、手洗い、部屋の小まめな換気など、他にできる対策を組み合わせて、感染リスクを低くすることができると考えています。
Q2親しい間柄の人でも黙食をしています。いつになったら楽しく歓談しながらご飯を食べられようになるのでしょうか?そのような時期は来るのでしょうか?
今はCOVID-19の最流行期です。この感染症がインフルエンザ並みの病気になれば、これまでのような生活ができるようになるでしょう。その時期がいつになるのかはわかりませんが、そう遠くではないでしょう。
Q3ワクチンについての質問です。インフルエンザは毎年1回冬の初めにワクチンを接種していますが、コロナは年がら年中受けないといけないのでしょうか?
今後のコロナウイルスの変異の状況次第です。流行の主流がオミクロン株のままでとどまれば、インフルエンザの様に年に1回のワクチン接種で済むことを予想しています。ただ大きなウイルスの変異による新株の出現があると、落ち着くまで少し時間がかかるかもしれません。
Q4濃厚接触者の待機5日間は正しいのでしょうか?
濃厚接触者がCOVID-19感染者に接触してから5日以内に発症する確率は83%です。6日目~7日目にも16%発症しています。100%に近いリスク回避を考えれば、7日間の待機が正しいのかもしれません。
Q5濃厚接触者の待機5日間の数え方を教えてください。
陽性者との最終接触日を0日として、次の日から1日目と数えます。
Q6後遺症の人へのワクチンの効果について
現在のところ、エビデンスは揃っていません。
しかし、クリニックレベルのデータでは、ワクチンを打った人の方が感染後の後遺症の発症率は低いと言われております。また昨年のデータですが、後遺症がある人がワクチンを接種すると後遺症が治っていくというデータもありますので、一定の効果があると考えています。
Q73回目のワクチン接種後の副反応が辛かったため、4回目のワクチン接種をためらっていますが、受けたほうがよいでしょうか。
現在コロナに感染している方は、3回目のワクチン接種後に発症している人も多いです。免疫を戻す(ブースター効果)ために、4回目接種を検討してほしいです。また、一旦コロナに感染すると3人に1人は後遺症が発生しており、後遺症は1年以上続きますので、そちらも考慮してみてください。
Q8アトピーのため、デュピクセントという生物学的製剤の治療を受けているのですが、コロナの重症化リスクは高くなるのでしょうか
免疫抑制に関わる薬を使っている人は感染しやすいと言われています。また、感染したら重症化しやすいということもありますので、いろんな注意を重ねてほしいと思います。
アトピー性皮膚炎
Q1小児のアトピー性皮膚炎に対し、ステロイド軟膏を常用した場合にどのような影響があるか。
このご質問の根底には、ステロイド外用剤に対する恐怖心を払拭できない事が併存している気がしますがいかがでしょうか?もちろん、年齢に関わらず必要もないのにステロイドを長期にわたってむやみに使用するのは、皮膚が薄くなったり血管が浮き出てきたりする副作用を避けるためにも回避すべきです。しかし、皮膚が必要としているのに塗らないと皮膚炎が長引き、(恐らくいつかは収まるでしょうが)長期間ダメージを受け続けた皮膚は汚く治ったり、すぐに再発をしやすくなります。適切なステロイド使用をかかりつけの先生としっかり相談しましょう。「ステロイドを塗らずに治したからOK!」ではないことをご理解いただければと思います。
Q2中学生になっても、なかなかアトピー性皮膚炎が改善されないのですが、詳しく検査などをした方がよいでしょうか。
自分にどんなアレルギーがあるのかを知るのは確かに大切ですが、アトピーの皮疹を治す事に直結するケースは残念ながら多くはありません。また、どれだけアレルギー検査が陽性でも、殆どが自分の生活する環境から取り除くことは不可能な項目ですし、逆に不安の種になる事も多い検査ですから、参考程度にするのが良いでしょう。
Q3施設入館の際など、アルコール消毒が必要ですが、肌が弱く、ヒリヒリしたり荒れたりします。このように、アルコール消毒が苦手な人も一定数いるのではないかと考えるのですが、実際どうなのでしょうか?
実際、このような方は少なく無いはずです。アトピーに関わらず、ヒビ割れや手湿疹でもアルコール消毒でしみる事が多いですので、年齢や職業、性差があります。
Q420代の娘ですが、小さい頃からのアトピーが良くならず、注射?での治療を考えています。期間や費用、効果、安全性など教えて頂きたいです。又、他に最新の治療があれば知りたいです。
クスリの商品名や製品名を出すことは極力控えるべきなので、漠然とした回答しか出来ないので申し訳ありませんが、今では注射剤や内服薬(分子標的薬のたぐい)もあり、病状とも合わせて考えるべきなので、この件はかかりつけの皮膚科医と相談すべき内容だと思われます。
Q5私自身が現在蕁麻疹が出やすかったり花粉症アレルギー性鼻炎、また思春期時代アトピー性皮膚炎が酷かったのですが、子ども達へ遺伝はかなり高いでしょうか?
ホルモンバランスの影響か思春期時代がかなり酷かったので心配です。
これは質問7の回答とも重なりますが、(頻度は高まるでしょうが)必ずしも遺伝するとは限らないこと、親が酷いアレルギーだったから子どもにアレルギーがそのまま遺伝するとも限りません。逆もそうで、親が軽いアレルギーでも、子どもが重症になるケースもあります。あくまで危険度が変わると言う程度に考えていただければ良いでしょう…何においても絶対はありません。
Q6アトピー性皮膚炎とアレルギー性鼻炎に悩まされています。
かかりつけの先生にご相談しながら、解決策を見つけていくことをお勧めします。
Q7アトピーと遺伝は関係するでしょうか?
あるのかないのかどちらかを選ぶとしたら、「遺伝はある」と判断せざるをえないでしょう。しかしながら、アトピーの親から生まれるお子さんが全員アトピーになるわけではありませんし、候補に挙げられているアトピー遺伝子も1つや2つではなく多岐に及びます。この候補遺伝子の多様性が、アトピーのなりやすさ、治りやすさ、薬の効き目(重症度)などに関わっていると考えられています。
Q8最近、娘が目の上がかゆいといいますが、アレルギーでしょうか。
これだけではさすがにアトピー性皮膚炎と決めつけることはできませんので、悩んでいないで、実際に専門医の診察を受けることをお勧めします。
Q9瞼が腫れたので皮膚科に行ったら塗り薬をもらいました。毎日塗ってくださいと言われましたがステロイドが入っている薬でした。次の診察の予約はないのですが、ずっと塗っていても大丈夫でしょうか。やめ時がわからないです。
大概の皮膚科医は、①症状が改善してきたら塗る量や塗る回数を適宜減らす、②症状が収まったら一旦中止する、この2つでその患者さんの診察を締めくくることが多いので、今一度、診察の内容を思い出してみてはいかがでしょうか。また、皮疹は良くなったけど、今後の方針を聞くためだけに受診される患者さんも少なくありません。ご不明な点があれば、ぜひ受診してその先生に聞いてみるのが良いでしょう。全く恥ずかしいことではありません。
Q10大人でも皮膚状態が悪い方がアレルギーが発症しやすいのでしょうか?
成人でも、乾燥肌があったり小児期にアトピーがあった人でたまに皮膚を掻爬する癖があるような人は、その後も何らかの皮膚のトラブルが多いことが報告されています。しかし、それらの人がすべてアレルギーを獲得するようになるかどうかはまだはっきりした根拠がありません。大人になると、小児に比べてアレルギー以外の病気になることが多いため、それらの病気が皮膚の状態の悪さやアレルギーの獲得しやすさにも影響している可能性があります。今後の皮膚科学の課題だと考えます。
Q11アトピーの人は血液検査をしても何のアレルギーかわかりにくいと言われたのですが本当ですか。
(※アレルギー性鼻炎No.11に同じ質問で耳鼻咽喉科の回答があります)
確かに、アトピーの方は健康な人に比べてアレルギーの検査が陽性になりやすい傾向はあります。しかし、陽性になった検査項目(環境の中のアレルギー物質:抗原と言います)が、現状のアトピーの皮疹を起こす引き金になっているのか、またなっているとすればどれぐらい関与しているのかの程度が分からないのです。つまり、アレルギーがある事は分かっても、アトピーと直結できるまでに至らない検査がほとんどです。ただ、湿気の多いじめじめした時期に毎年皮疹が悪くなり、血液検査でダニアレルギー陽性の場合や、動物アレルギー検査が陽性でその動物に触れると皮脂がひどくなるような方は、アトピーとアレルギーの関与が濃厚と考えて良いでしょう。こうしたケースはあえて血液検査をしなくても実体験の中でアレルギーの種類と関与を類推することができるため、逆にあえて検査をする必要性が希薄とも言えるでしょう。
アレルギー性鼻炎
Q1子供がほぼ毎朝、寝起きにくしゃみと鼻水の症状があります。日中や夜は無く朝だけです。アレルギーなのでしょうか?因みに、掃除機での掃除は毎日しています。
アレルギー性鼻炎をお持ちの方は、早朝や寝起きに鼻炎症状がひどく出ることがあります。夜間に床の上に落ちた花粉やハウスダストが、朝活動しだした時に舞い上がり、それを吸うためと考えます。お子さんの場合ですとアレルギーの可能性が高いです。
Q2早朝、くしゃみが出ますが、これもアレルギーですかね。温度との関係ですかね。
質問1の回答に加え、起床時は自律神経が副交感神経優位から交感神経優位に切り替わるのですが、その際一時的にバランスが崩れて鼻が刺激過敏になる場合があります。また、温度については寒冷刺激で過敏性が増すと言われています。これはアレルギーではなく、成人から高齢者で出やすいです。
Q3点鼻薬をせずに寝ると鼻が詰まったり、特に午前中はくしゃみを沢山して鼻水が沢山出てきます。どうしたら治りますか?
まずは、鼻の症状がアレルギーなのか、アレルギーだとしたら何のアレルギーかを知ることが大切です。アレルゲンを回避すること、そして薬物療法(内服薬)をうまく使うことで症状を軽減することができます。耳鼻咽喉科医師の処方した点鼻薬を使用されているのであれば問題ありませんが、一度受診をお勧めします。
Q4子どもがアレルギー性鼻炎(ハウスダストが原因)のため免疫舌下療法を検討しています。かかりつけ医に相談したところ、治療に長期間かかるため、推進していないようでした。医師により賛否両論なのでしょうか?
舌下免疫療法は特別な講習を受ける必要があるため、その医師の得意分野かどうかも関係するかもしれませんが、アレルギー性鼻炎を唯一根治できる可能性のある非常に良い治療方法だと考えます。即効性のある治療ではありませんが、毎日少しずつ体を慣らしていくことで、アレルギーを起こしにくい体質にしていく治療です。だいたい3-4か月で効果が出てくる方が多く、3-5年継続するのが良いと言われています。効果がでるまでは既存の治療法(内服や点鼻薬)も併用できます。
Q5今3歳の子供ですが、去年保育園通い始めて、4〜8月の間、咳鼻水の繰り返しです。現在も咳鼻水です。かなりの長期期間なので何かアレルギーなのではないかと思ってますが、花粉症だと5歳くらいからしか診断できないと言われ、何かないかと模索してます。
小さいお子さんは症状をはっきり訴えることが出来なかったり、診察や検査がうまくできないため診断が難しいのは確かです。しかし、指先からの数滴の採血だけで抗体が測定できる簡易アレルギー検査キットを用いたり、やわらかい綿棒で鼻汁を採取し鼻汁検査を行うことでアレルギー性鼻炎の診断は可能です。この方法は乳児でも可能です。一度お近くの医療機関にご相談ください。
Q6小学生低学年に舌下療法をするうえでの、副作用や懸念点について
副作用については、舌下を開始してから1か月間は軽い副作用といわれる、口の中のかゆみ、腫れなどは多くの患者さんが経験します。ですが、その副作用がひどくて中止するという人はあまりありません。強い副作用は重症のアトピー性皮膚炎や喘息があると出やすいので、その状態の人の免疫療法の開始については慎重に実施する、もしくは開始を延期する必要があります。それぞれについて対策を講じながら治療の開始、継続をすることができます。また、小学生の低学年では服薬の自己管理は難しいので、月に8割程度の服用を目標にしておうちの人と一緒に服薬管理をしていくのが良いと思います。
Q7子供のアレルギー性鼻炎が、毎年、同じ時期にひどくなります。毎日アレルギーの薬は飲んでいますが、その時期には鼻炎がひどくなり、ひどいと蓄膿になります。何か予防の方法はあるのでしょうか?ひどくなったら耳鼻科を受診するという方法をとっていますが、コロナが怖いので耳鼻科に行くのも控えている状況です。
アレルギー性鼻炎がひどくなると副鼻腔炎も併せて発症するのだと思います。鼻炎がひどくなる時期にはいくつかの薬を重ねて使用することが必要になるかもしれません。それでも蓄膿になるときには、その都度耳鼻咽喉科を受診してほしいと思います。それぞれの耳鼻咽喉科クリニックもコロナの感染対策を行っていますので、ご心配な点はお問い合わせの上受診をしてはいかがでしょうか。
Q8私自身が現在蕁麻疹が出やすかったり花粉症アレルギー性鼻炎、また思春期時代アトピー性皮膚炎が酷かったのですが、子ども達へ遺伝はかなり高いでしょうか?
ホルモンバランスの影響か思春期時代がかなり酷かったので心配です。
親御さんのアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎があると遺伝する可能性はあります。ですが、前もってそのことを分かっていれば、花粉の飛ぶ時期はマスクをしてなるべく吸い込まない工夫をするなど、対策はしやすいとも言えます。そのような情報として親御さんのアレルギーをとらえてはいかがでしょうか。
Q9アレルギー性鼻炎だと診断されたのですが自覚症状がないので特に治療しなくても良いですか?
自覚症状がなければ治療は必ずしも受ける必要はありません。ですが、診断されたアレルゲンが多い時期にはマスクや空気清浄機などを使ってなるべく回避するよう心掛けることでこれからの発症予防に心がけるとよいと思います。
Q10小学生の時にコロナでマスクをしていると花粉症になるきっかけが少ないとすると、大人になっても花粉症になる可能性が低いということですか。
30才以降は花粉症になる割合はぐっと減ります。小学生の頃から花粉シーズンにはマスクをすることを習慣にしておいて、大人になっても続けるような習慣が有効だと考えています。
Q11アトピーの人は血液検査をしても何のアレルギーかわかりにくいと言われたのですが本当ですか。
(※アトピー性皮膚炎No.11に同じ質問で皮膚科の回答があります)
アレルギーの原因物質(特異抗原)に対する検査は、採血や皮膚テストなどがあります。必ず特定の特異抗原が見つかるわけではないのはその通りですが、何かしら手掛かりになる結果が出ることもありますので、気になっている場合には検査を受けてみてはいかがでしょうか。
Q12好酸球副鼻腔炎で、アレルギー剤を常用しておりますが、大丈夫でしょうか。
抗アレルギー剤や抗ヒスタミン薬は、体質の病気に使う薬なので長期間使用してもよいようなつくりになっているものが多いです。ですが、年齢によって腎臓に負担がかかったりと注意する点もありますので、ご使用の薬については、主治医にご相談ください。
Q13以前に、鼻の粘膜を焼くという治療法を聞いたことがあるが効果があるのか。
花粉が鼻の粘膜につくことによって、アレルギー症状がでますので、鼻粘膜の表面の浅い部分を広くレーザーで処置することで粘膜の反応を鈍感にし、花粉やホコリ・ペットの毛などが粘膜についても、アレルギー症状を起きにくくします。一般的な治療法として実施されています。
Q14福井県でも花粉のでない杉に植え替えるという話を聞いたが、効果が期待できるのか。
無花粉スギは期待できますが、無花粉スギにすべて置き換わるには100年以上かかると試算されています。
食物アレルギー
Q1いま6歳の子がアレルギー性鼻炎とアトピー性皮膚炎があり通院中です。食物アレルギーはとくになかったのですが、最近野菜などの食べ物で口が痒くなることが出てきました。今までなかったものもアレルギー症状がでることもあるのでしょうか?
花粉症になることで、花粉に対するIgEと交差反応性がある成分を含む野菜や果物を食べると口腔内の症状を訴えるようになることがあります。以前は、この特殊なタイプの食物アレルギーを口腔アレルギー症候群とよんでいましたが、最近は花粉食物アレルギー症候群と言います。
Q235歳ぐらいから食物アレルギーが出てきました。そば、キウイ、桃、メロン、山芋、生卵、海老、カニ等です。症状はじんましん、腹痛、下痢です。外食等でわからずに食べてしまって、症状が出たときに市販の薬で対応できるものはないですか?
誘発される症状が、口の中の痒みや皮膚のかゆみ、蕁麻疹、軽い腹痛程度であれば、抗ヒスタミン剤が有効で、市販薬でも入手できるものがあります。強い腹痛や下痢は、アレルギー反応を起こしている原因物質を早く体外に排出されるための体の防御反応でもあるため、下痢止めは無効で、かえって症状を長引かせます。また、解熱鎮痛剤を使うと腸の粘膜のアレルゲンの透過性が高まり、アレルギー症状が強くなる危険があります。強い腹痛や下痢が起きる場合には、市販薬では対応できません。お医者さんから適切な薬剤の処方をうけておくことをお勧めします。
Q3コロナ禍で診察に時間がかかる中、家でアレルギーになりそうなものを初めて試すのにとても躊躇しています。来年は小学生のため、そろそろ蕎麦を試しておきたいのですが、もし家で何か症状が出た場合どうすればいいでしょうか?すぐに診察していただけるのでしょうか?
始めて食べる食材を試す場合には、離乳食を開始するのと同じ要領で、最初は極少量を与えてみて、症状がでないことを確認し、少しずつ摂取量を増やしていくのがよいでしょう。症状が出たときにすぐに医療機関を受診できる時間帯に食べさせるのが良いでしょう。過去に強いアレルギー症状が出たことがある食品の場合には、IgEの値を参考に医療機関で経口負荷試験を実施して摂取可能になっているかを確認することが重要です。
Q4私は、3歳の時に食物アレルギー(そば)で、アナフィラキシーショックを起こしました。それ以降、幼稚園・小学校・中学校で”そば”が入った食品を除去するように親から言われてきましたが、誤食予防対策は十分ではなく、アナフィラキシーショックを数回起こしました。外食や珍しいお菓子(そばぼうろ・おやきなど)で、食べるときには、”大丈夫かな”と思いつつ食べてきました。食物アレルギーの”安全の確保”について、ご教示いただきたいと思います
そばに関しては、食品表示義務となっているため包装にそばを含むかどうかの記載を確認するようにしましょう。外食などで表示がない場合にはお店の方に確認することが重要です。また、初めて食べる食品の場合には、いきなり全量を食べずに、ごく少量口の中にいれて口腔内に症状がでないことを確認してから、食べるようにします。アナフィラキシーを起こしたことがあるのであれば、エピペンを使用できるようにしておくことが重要です。
Q5妊娠中です。子供のころからアトピー性皮膚炎(乳児湿疹もありました)、二十歳からは慢性蕁麻疹で原因不明といわれています。生まれてくる子供に赤ちゃんの時期から注意したほうが良いことはありますか。
妊娠中の食事に関しては特に制限をする必要はありません。生まれた赤ちゃんに対しては、スキンケアをして、乳児湿疹が生じる場合にはその湿疹の治療をきちんとしておくことが重要です。
Q63年前程前から咳が年中止まらず、かかりつけ医から大きい病院を紹介していただき咳喘息と診断されました。その後はずっとかかりつけ医から喘息の薬をいただいています。咳喘息と喘息は何がちがいますか?
喘息では発作性に気管支が狭くなることで、息をはきづらくなり、息をはくときにゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴を伴い、呼吸困難を生じます。一方、咳喘息では咳以外の症状がありません。咳喘息は喘息に移行することがあり、喘息になる前段階とも考えられています。そのため、喘息の薬で治療されることが多いです。
Q7これからもアレルゲンは増え続けるのでしょうか?
環境や食生活の変化などによりアレルギー疾患は増加傾向にあります。また、新しいアレルギー疾患も見つかってきていることから、その原因となるアレルゲンの種類は増えることが予想されます。
Q8アレルギーに市販のお薬で対応できるものはあるか?
市販薬でも入手可能な一部の抗ヒスタミン薬は、アレルギー症状のうち蕁麻疹や痒みに対して有効です。しかし、呼吸器症状や吐き気・腹痛等に対しては、かかりつけの先生と相談し、症状にあった薬を処方してもらってください。
Q9くるみ・ナッツ・アーモンドなどのアレルギーが増加している原因は何でしょうか。
増加の原因は解明されていませんが、当該食品の摂取開始時期が変化してきていることが影響している可能性が考えられています。